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Blue In Green 高田ひろ子 津村和彦 Duo

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内容紹介
*高田ひろ子ライナーノーツ* 私は、津村和彦中毒、あるいは信者。 しばらく一緒に演奏しない日が続くと、人生が物足りなくなってくる。 津村さんは穏やかで優しく、いつもにこにことギターを弾くが、今ここにどの音が必要か、集中して音を奏でる。時にそれは、思い切った切り口となって、音楽が展開していく。何が起こるか・・つい期待してしまう。 優しいラインだったり、ギュイーンとロックだったり、泣きのブルースだったり、美しい不協和音程の重なりだったり・・・。いろんなスタイルを弾きこなすが、見事に、全て津村さん以外の何者でもないのだ。 音色もとてもきれい。音色へのこだわりは、良い音楽を作る絶対条件と私は思う。 いつも自由で、―そして私はもっとも素晴らしいところだと思うが―『絶対に良い音楽にするぞー! 』という明確な決意を感じる。だから共演者も音楽も選ばない。その時の音楽にベストを尽くす。たくさんの人が共演したいと思うのは無理もない。津村さんがいると、その音楽がとびっきり良いものになるのだから。 時に歌い、時にピョンピョン飛び上がって・・。また時にけらけら笑う。その場に笑顔と音楽の楽しみが伝わっていく。 私も、津村さんのそのムードの中で、集中し、思い切って飛び回ることができる。だから、共演した後はしばらく、気持ちが自由になり、のびのびと音楽に向かうことができる。 しかし、2015年6月17日、津村さんは逝ってしまった。受け入れ難いがすべてが過去形となってしまった。 困った。ほんとうに困った。 津村さん、実は音楽にとても厳しい人だった。そんな素振りは微塵も見せなかったけれど。 私がその厳しさに応えられていたかというと、ぜんぜん自信がなかったのだが、津村さんと共演していたVocalistのMicciさんが、津村さんを見送った後、たまたま一緒になったバスの中で、あるエピソードを私に伝えてくれた。リハーサル中の話だったそうだ。 “高田さんとのデュオは、演奏で会話ができるから、とても楽しい。どちらが伴奏とかではなく本当の意味でのセッションになる。しっかり聞いてくれている。 おかげでお互いがある音楽になるんだ。 ちゃんとキャッチボールができるのは本当にいいよね。うたでもできるよ。" おー、つむちん。涙が止まらない。 もっとたくさん共演したかった。 いつか録音できたらいいな、と思っているうちに、津村さんは彼方へ行ってしまった。 しかし、10年も前の録音ではあるが、幸い良い録音状態の記録が一つあった。 この録音をCDにすること、許してくれるよね。 津村さんの音楽への情熱が、素晴らしいライブにしてくれている。 ここに、敬愛する安カ川大樹氏のレーベルD-musicaからリリースしていただくことになった。 2曲のオリジナルの説明だけ・・・ ・「You-Go-Go」・・津村さんと愛妻・典子さんとの間に生まれた長男の悠虎君(ゆうごくん)のための、かっこいい曲。『Be-Spell』というvocalist典子さんのアルバムでは二人の共演を聴くことができる。 ・「For A New Day」・・・D-Musicaからリリースした私のトリオの1stアルバムのタイトルソング。9・11同時多発テロのあと、アメリカが戦争をすると決めた。なんという馬鹿なことを、と悲しくなった。音楽に何ができるか・・常に音楽家にとっての課題だ。平和な日を願って、書いた曲。つむちんのギターが泣く。(高田ひろ子 ライナーノーツより)------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 良い音楽は存在するが、悪い音楽は存在しない。 悪意を持って作られた音楽でも、それを受け入れる人、面白がる人がいれば、音楽としての価値が生じていることになる。 また音楽を作った当事者が納得いかない作品でも、聴取者の賛辞を受けることもままあるわけだ。 作り手と聴き手の感覚の隔たりが、思わぬ結果をもたらすこともある。最悪の体調の状態で演奏されたものが天下の名演として記録されている事例も多い。チャーリー・パーカーしかり、キース・ジャレットしかり。 集中力が欠如したような状況の下で紡ぎ出される音楽性こそが、奏者の根源的な人間性なのかもしれない。 全く反対のことだが、心からリラックスして、ストレスフリーな状態で演奏された録音は、聴き手にもそれとわかる多幸感に満ちているうえに、音色までもが生き生きとフレッシュで、輝くようなきらめきをまとって聴く者をしばしの音旅に連れ出してくれる。 これはそんな演奏を記録したアルバムだ。 高田ひろ子、津村和彦によるデュオライブアルバム。 今は亡き津村和彦さんは、器用にテクニカルにフレーズを羅列するタイプではなかった。しかし、体の内側からほとばしる音霊があった。だから音楽にいつもとても説得力があった。 高田ひろ子さんは、例えようもないリリシズムをもってピアノを弾く、日本では数少ない印象派ピアニストだ。こんなことを書いたら怒るかもしれないが、ほんとに印象派なんだもの。色彩感に富んだ、というよりもほんとに色が見えてきそうな演奏をする人。 この2人が横浜モーションブルーの落ち着いた空間で繰り広げる、リラックスした演奏は気持ち良いに決まってる。ただそれだけでなく、お互いを聴き合って尊重して音楽を深化させてゆくプロセスが、実に感動的だ。 お互いのオリジナルも素晴らしい。メロディを弾くのが作曲者ではない、というところも信頼の度合いが聴いて取れるのだ。 ぜひ聴いてみてほしい一枚。(パーカッショニスト 岡部洋一)

レビュー
ピアノとギターによる極上のデュオ・ライヴ音源
ジャケットも美しく、マイルス・デイヴィスとビル・エヴァンスの共作「Blue In Green」がタイトルに付けられた高田ひろ子と津村和彦のデュオ・アルバム。
名ベーシストのスティーヴ・スワロウ作「Falling Grace」が1曲目という選曲も渋く、津村和彦のギター&ユニゾン・スキャット~高田ひろ子の哀愁たっぷりでメロディアスなピアノも最高。2016年1月6日に行われたモーション・ブルー・ヨコハマでのライヴを収録した本作。
2人のオリジナル「U GOGO」「For A New Day」を含む6曲を収録。ラストのチャップリン作「Smile」は、ギターとピアノの旋律がジャケットの雰囲気にピッタリの港町ヨコハマの夜景に溶け込んでいくようにやさしく響き渡る。(The Walker’s 加瀬正之)

アーティストについて
高田 ひろ子:Piano 5歳からピアノを学ぶ。中学の頃からクラシックと平行してフュージョン系の音楽に興味を持つ。大阪芸大在学中から、ライヴ活動を始める。81年上京。ジャズ音楽の基礎を高瀬アキ氏に学ぶ。また作曲法を二橋潤一、松平頼明両氏、現代音楽奏法を平尾はるな氏に師事。95年自己のカルテットを結成。97年に「a song for someone」03年に「Elma」をリリース。またD-musicaレーベルより、09年にトリオのアルバム「For A New Day」11年に「Inner Voices」をリリース。また96年~99年、スイスのベーシストBaenz Oesterとのデュオでスイス、及び日本でツアーを行った。現在は自己のカルテットやトリオ以外にも、ヴォーカルや様々な楽器とのコラボレーションやソロでも活動している。---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 津村 和彦:guiter 1957年大阪府生まれ。中学時代にギターを始める。 18歳で上京し中央大学に入学。ジャズ研やビックバンドでジャズを楽しみ、卒業後は「新宿Pit Inn」や「アケタの店」等のライブハウスで活動開始。 F122、林栄一バンド、古澤良治郎パペラッコバンド、酒井俊バンド、プラネットX、高橋知己4、風狂知音、 Impressions他にもジャンルを問わず数多くのグループに参加し、演奏やレコーディングを重ね、海外ツアーにも参加。 さまざまな音楽家の信頼は厚く、惜しまれながら、2015年6月17日、がんのため死去。

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